肩こりと動悸は関係あるのか

首から背中の上部、肩や上腕に関わる筋肉（主に僧帽筋）の鈍い痛みや圧迫感、違和感、不快感を一括りにして肩こりといいます。肉体的、精神的なストレス、自律神経の乱れなどによる肩周辺の筋肉の緊張と血流不足が原因です。

血行が悪くなると、血液によって運ばれる酸素や栄養分が不足し、筋肉に乳酸などの老廃物が蓄積されます。そして、筋肉の細胞から発痛物質が出て痛みが生じます。或いは、筋膜（筋肉を覆う膜）の癒着による場合もあるとされています。

〇筋肉疲労：デスクワークで長時間PCを使っていると、姿勢の悪さから猫背になったり、キーボードを打つため両手が前方に位置しますので、巻き肩になってしまいます。後、日頃の運動不足も筋肉疲労を引き起こします。

〇眼精疲労：長時間PC・スマホを凝視したり、読書をしたり、眼鏡の度が合っていないと非常に目が疲れます。そのことにより、後頭部から肩にかけて、そして肩甲骨内側が強張ることがよくあります。ひどくなると、頭痛・吐気がすることがあります。

〇ストレス：肉体や精神にストレスを受けると、筋肉を緊張させる自律神経（交感神経）の働きが活発になります。そのため、肩周辺の筋肉が緊張し、肩こりが起こります。一時的なものであれば問題ありませんが、連日ストレスにさらされ筋肉に過剰な緊張状態が続くと、肩こりが慢性化することがあります。

〇寒さや低気圧などの気象の影響：気温が下がると体内から熱を奪われます。それを防ぐため、無意識に筋肉を緊張させ血管を収縮させます。また、気圧が下がるとそれがストレスとなり、交感神経が活発になります。そして筋肉が緊張します。

〇心臓の病気（狭心症や心筋梗塞）：胸が締め付けられるような痛みと同時に、左側の背中や肩に強い痛みを感じます。心臓の自律神経と首から肩の知覚神経とが同じ経路を通るため、心臓と肩の痛みが関連するとされています。

〇肩や首の病気：五十肩や変形性頸椎症や頸椎椎間板ヘルニアに伴って、首・肩の痛みやしびれが生じます。

〇更年期障害：ホルモンの急激な変化により自律神経が乱れます。症状には、こりや疲れ、だるさ、のぼせやほてり、イライラや不安感などがあります。

〇高血圧症・低血圧症

動悸とは、自分の心臓の拍動を強くまたは速く感じる症状のことを言います。
ときに脈拍が乱れるといった場合（不整脈）もありますが、心拍数が通常より上昇していない場合にも感じることがあります。

激しい運動をした時ではなく軽い運動をした時や平常時に動悸を感じる場合には、心臓の働きが低下していたり不整脈が出ていたりすることが原因の可能性があります。1回の心拍出量が低下すると、それを補おうとして回数を増やす頻脈があります。また、低血圧でも頻脈になります。

また、不安やストレスから起こる精神的なものや、睡眠不足や過労からくるもの、女性の場合には貧血やホルモンバランスが乱れるために起こることもあります。（更年期障害やパニック障害）また、低血糖症状で生じることもあります。

〇カフェインなどの大量摂取：カフェイン・アルコール・薬の副作用が交感神経に作用して動悸がすることがあります。

〇ストレスや精神的なもの：精神的ストレスによって頻脈になった時や、血圧が上昇して心機能が亢進した時に感じることもあります。単に精神的要因だけで動悸を感じることもあります。

〇心臓の病気：不整脈、狭心症、心筋梗塞

〇甲状腺機能亢進症（バセドウ病）

〇パニック障害、うつ病、適応障害、心気症

〇更年期障害

〇自律神経失調症

こうやって見てみますと、案外肩こりと動悸で共通する部分がありますね。

最も危険なのは心疾患の可能性があることです。そう言えば、以前強度の肩こりで来られた患者さんで、施術後楽になられても、その夜中に冷や汗をかかれ肩・背中がパンパンに硬くなるということが続いた方がおられました。心疾患の可能性があるから病院へ行くよう再三伝えたのですが、内科の主治医がいてるから大丈夫とのことで、本気にされませんでした。結局、この方、心筋梗塞であることが判明し緊急手術をされました。

次に更年期障害や自律神経失調症の方も肩こり・動悸ともに症状として出る可能性があります。更年期障害の方は自律神経失調症にもなりますから、当然と言えば当然ですよね。とにかく、自律神経失調症を呈する方は、その可能性があるということです。うつ病やパニック障害の方も含まれますね。

あと、ストレスを溜めるとよくないということです。緊張するから筋肉は硬くなるし、自律神経が乱れるから動悸もするということです。

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