腰痛予防にはスクワット?

腰痛予防とスクワットがなぜリンクするのか、どこからこの発想が出て来るのか、私にはいまいちピンときません。その理由を書いてみたいと思います。

そもそもスクワットは何のためにするの?

その前に、あなたはスクワットのやり方をしっかり理解できていますか?スクワットもやり方を間違えると、体を痛めてしまいます。スクワットがなぜこれだけ知名度があるのか?ヒンズースクワットから?スクワットはスポーツ選手を鍛える地獄のトレーニングというイメージが昔の私にはありました。

しかし、私は理学療法士として医療の現場で使う立場になって、大きくイメージが変わりました。私が医療の現場でスクワットを指導するのは、膝関節や股関節(特に膝関節)に痛みのある方に対して、筋力低下を防ぎ、筋力増強するためです。ゆっくり腰を沈め、痛みの出ない角度までで止め、その位置で10~15秒静止します。そしてまたゆっくり元の起立姿勢に戻します。これを1セット10回で数セットやってもらいます。

私はこれ以外の目的でスクワットを指導したことがありません。スポーツ選手専門のリハビリはやっていませんでしたので。

腰痛とスクワットに関連があるのか?

少なくとも私には、その関連はあまり見出せません。
類推するとしたら、大殿筋を強化すると腰痛がなくなると唱えていた医師がTVで取り上げられていたことと、スクワットにより脊柱起立筋(背筋群)を鍛えられるくらいですね。

筋力低下が腰痛の原因なら、どうして筋肉隆々のスポーツ選手が腰痛になるのでしょうか?
高齢者が大殿筋の筋力トレーニングで腰痛が消えたのは、むしろ使わなくなったことにより働きにくくなった大殿筋が、関節運動を伴う筋収縮により促通されたからではないかと思われます。そうすることにより、血行がよくなり、大殿筋の柔軟性が高まることが予測されます。

大殿筋は確かに腰痛と大きく関係があると私も思います。腰痛のある方は、大殿筋がカチカチであることが多いです。中には、大殿筋の中に筋硬結(コリ)ができてしまっている場合もあります。

スクワットをすると腰痛予防になるのか?

腰痛のない時に、スクワットをすることにより、背筋や下肢筋群が鍛えられ、筋疲労性の腰痛に対しては少しは有効だと思われます。ただし、みなさんは腰痛もないのに、しんどいスクワットをわざわざしますか?

むしろ筋トレにより腰痛になる場合の方が多い
腰痛予防によく効く筋トレはスクワットよりも腹筋の筋トレだと言われています。なぜならお医者さんがよく言われるからです。私も病院でリハビリをしている時は、よく言われていました。

私の経験上、腹筋を鍛えてガチガチになっている方ほど腰痛になっている場合が多いですね。重度の腰痛の方ほど腹部がガチガチですから。以前、日本ランカーのプロボクサーが腰痛で来られていたのですが、明らかにトレーニングのし過ぎによるオーバーワークが原因でした。全身がとにかくガチガチで、緩めるのも大変でしたが、試合が決まるとトレーニングを休めないため、腰痛がすぐに再発してしまうという悪循環でした。

当院では腰痛のある方に筋トレは推奨しない

当院では、腰痛に対してむしろ筋肉を緩めるべきと考えています。腹筋の筋トレは禁止しています。筋力というものは、普通に日常生活を送り、適度に歩行していれば、そう大きく低下するものではありません。姿勢保持だけでも、結構筋力は使われています。特にインナーマッスル(深層筋)はそうです。

なのに、それ以上鍛える必要はありません。腰痛があればなおさらです。
それよりも、当院では体の歪みが腰痛の原因だと考えますので、筋力よりも姿勢こそが問題なのです。正しい姿勢をとることにより余計な筋力を使わないようにすること、背骨の矯正により神経伝達が正常化することにより自然治癒力が高まることを目的としています。


堺肩こり・腰痛センターでは、基本手技であるDRTにより自然治癒力を向上させますので、『つらい腰痛』や『股関節の痛み』に対して、より精度の高い施術が可能です。
このような痛みで長い間お悩みの方は、メール・お電話でお気軽にお問い合わせください。
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堺肩こり・腰痛センター