一見、椎間板ヘルニアと便秘は無関係のように思いますよね?しかし、この便秘であることがかなり怖い症状であることがありますので、心して聞いてください。
馬尾神経障害とか馬尾症候群とか聞いたことありますか?
腰椎椎間板ヘルニアの方が便秘を伴う場合、この馬尾神経障害を起こしてしまっている可能性があります。便秘はこの馬尾神経障害の中の膀胱・直腸障害の可能性が高いからです。膀胱・直腸障害とは、排尿・排便障害のことで、症状として頻尿や尿漏れそして便秘があります。
以前のブログにも書きましたが、この膀胱・直腸障害は非常に問題で、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症の場合、手術適応かどうかの重要な判断基準になります。
馬尾神経とは?
背骨の中は空洞になっており、脳からの神経の束が通っています。この通り道を脊柱管と言います。この脊柱管を通っている神経は1本の脊髄と脊髄から分岐した31対の脊髄神経根です。脊髄は腰椎1~2番の高さで終わり、その下は脊髄神経根がしばらく脊柱管内を走行し、それぞれの高さから分岐していきます。
この下に伸びた脊髄神経根が馬の尻尾のように見えることから、馬尾神経と呼ばれています。腰から下肢にかけて非常に重要な神経であることは理解できますよね?
馬尾神経障害とは?
この大事な馬尾神経が、何らかの原因で馬尾全体が圧迫されて重篤な神経障害を生じることを馬尾神経障害、或いは馬尾症候群と言います。この時生じる神経障害は、腰痛・下肢の神経痛(坐骨神経痛も含む)・しびれなどの感覚障害・下肢の運動麻痺・尿閉・尿失禁・便失禁・性機能障害などがあります。
主な原因として、巨大な腰椎椎間板ヘルニア、重篤な腰部脊柱管狭窄症、脊髄・脊椎の腫瘍、硬膜外血種、細菌の感染(化膿性椎間板炎や膿瘍)、外傷による損傷があります。
馬尾症候群の診断
馬尾症候群の診断は病院(整形外科や脳神経外科や神経内科)で行いましょう。
問診(強い腰痛や下肢痛がある、下肢の感覚が鈍い、足の力が弱い、尿や便が出ない)と、神経学的検査(筋力テスト、知覚テスト)と膀胱機能検査で診断を行います。
さらに、レントゲン撮影やMRI画像撮影を行えば、診断は比較的容易です。
原因として膿瘍や転移性腫瘍が疑われる場合は、血液検査や内臓疾患の有無を調べます。
馬尾症候群の治療
馬尾症候群の診断が確定すれば、迅速な治療が必要となります。馬尾の腫れを引かすためにステロイドが投与されることもあります。圧迫を軽減させる手術はできるだけ早くする必要があります。
腰椎椎間板ヘルニアなら、LOVE法(外科的切開手術)、MED法(内視鏡下ヘルニア摘出術)、PLDD法(経皮的レーザー椎間板減圧術)、PN法(経皮的髄核摘出術)のどれかが適応となります。
特に、急性に発症した腰椎椎間板ヘルニアや硬膜外血腫、脊椎破裂骨折などが原因の馬尾症候群は、24時間経過すると神経症状の回復が不良とされていますので、緊急手術の対象となります。一方、感染や血液・内臓疾患がその原因であれば、並行して原因となった疾患の治療を行います。
まとめ
いろいろ書きましたが、まとめますと、もともと腰椎椎間板ヘルニアを患ってる人で重度の便秘になれば、そのまま放置するのではなく、馬尾症候群の可能性があるので、病院(整形外科か脳神経外科か神経内科)に行き、診断を仰ぎましょう。
もし、馬尾症候群であれば、われわれの整体で対応できる範囲ではありませんので、しっかり病院で治療を受けてくださいね。現在、整体院で施術を受けていても、迷わず病院に行ってください。
堺肩こり・腰痛センターでは、基本手技であるDRTにより自然治癒力を向上させますので、『つらい腰痛』や『股関節の痛み』に対して、より精度の高い施術が可能です。
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