最近、母親がインフルエンザA型を発症した。
これだけでは、普通の事象であるが、その過程において、考えさせられることが多々あったので、記載してみる。
母親が発症したのは3週間前。
今でこそ、時折、咳をすること以外は、普通の状態に戻ったが、発症直後は大変な状況であった。
元々、自覚症状は喉の奥が痛み、咳き込むことであった。
体温は36.6℃。平熱は35℃台。
意識:清明 JCS:Ⅰ-1
いいですか?この状態をしっかり把握しておいてください。
そこで、近隣の50床クラスの小規模総合病院で受診。
ところが、帰宅してみると、
悪心・嘔吐でトイレから出て来れなくなり、移動も這う以外は不可。
何とかソファに臥床。
そこで、今度は「うーん…。うーん…。」と唸り出した。
心配になり、「どうした?しんどいんか?」と問うも、
「魚釣って来たんか?大きいの捕れたか?」
と意味不明の返答。
風邪かインフルエンザかで受診したはずの母親が、こんな状態になってしまっている。
JCS:Ⅱ-20
II 刺激すると覚醒するが刺激をやめると眠り込む状態
20点:大きな声または体をゆさぶることにより開眼する
明らかに意識障害あり。
付き添った父親の話によれば、検査にてインフルエンザA型であると判明し、薬を吸入してからおかしくなったとのこと。
気分が悪いと言い出したのだが、担当医によればインフルエンザの症状であるので、脱水症状だけには気をつけて、自宅で安静にしておくようにとのこと。それ以外は病院ではどうもできないと説明されたとのこと。
ちょっと、待って…。
今、薬を吸入して、その直後に様態が急変しているのに、それに対しての説明、処置もせず、そのまま自宅に帰していいのか?
あれっ?何かがおかしい。
そこで、私が病院に問い合わせてみる。
私「今、母親がインフルエンザA型の診断を受けて、帰宅したのですが、気分が悪いと言ってるし、『うーん…』と唸るばかりで、明らかに意識障害が出てるんですけど、これは薬の副作用ではないんですか?」
病院「少しお待ちください。担当医に確認してみます。」
病院「お待たせしました。担当医に確認したところ、特に薬の副作用ではないとのこと。しばらく様子を観てください、脱水だけには気をつけて安静にしておいてくださいとのことです。」
私「えっ!?薬の副作用ではないんですか?それまでは、こんな症状は無かったのに、どう見ても意識障害で意味不明なことを口走っていますよ。それに気分が悪いみたいだし、ふらついてまともに歩けてませんよ。這って移動するのがやっとです。タミフルかリレンザを処方されたのですか?タミフルだと意識障害が出ることがあるのではないですか?」
病院「タミフルでもリレンザでもありません。別の薬ですので、そのような副作用はありません。」
私「そうですか。では、しばらく様子を観察してみます。」
ところが、一向に症状が改善されず、さらに応答が乏しくなり、「うーん…。うーん…。」と唸るばかりに。
たまらず、再度、病院に電話を入れる。
私「さきほど、インフルエンザに発症した母親の件で電話させていただいた者ですが、やはり症状が改善されません。それどころか、だんだん状態が悪くなってるみたいなんですが…。」
病院「そうですか。でも、薬は特に問題はないようですし。安静にしてもらうしか…。」
私「でも、明らかに、薬を吸入してからおかしくなったのですけど。インフルエンザの症状ではこのような状態にならないのですか?」
病院「担当医に聞いてみますので、しばらくお待ちください。」
病院「今、確認を取りましたが、ひょっとしたらインフルエンザ脳症が考えられるとのことです。でも、年齢的には当てはまりにくいとのことですが…。」
私「えっ!?そうなんですか?もし、急変した場合、どうすればいいのですか?」
病院「そうですね。当院では、それに対応できる環境にないので、それに対応可能な総合病院に行ってください。入院できる病院です。」
私「えっ!?そちらで対応していただけないのですか?具体的に、どんな状態・症状であれば救急車を呼べばいいのですか?どこの病院であればいいのですか?」
病院「しばらくお待ちください。再度担当医に聞いてみます。」
病院「お待たせしました。具体的にいつとは言えないとのこと。ご心配であれば、念のため今からでも行かれては?病院は、この辺であれば、M総合病院あたりがいいのではとのことです。」
私「B総合病院ではダメですか?そちらの方が馴染みがあるので。」
病院「別に、そこでもいいと思いますよ。M総合病院は、担当医が懇意にしているだけのことですので。」
私「分かりました。もう少し様子観てみます。」
これが、一連の会話である。
何かおかしくないですか?
病院を紹介するならするで、紹介状を書くか、或いは、相手病院へ連絡し、受け入れ可能かどうか確認して、その旨を伝える。
最低限、その病院が処置後増悪したのであれば、これくらいはする義務はあるのではないか?
家族の不安に対して、もっと適切なケアの仕方があったのではないか?
私の受けた印象では、増悪したのはあくまで薬が原因ではなく、インフルエンザという病気が原因であるから、当院は関知しないというものしかない。
さらに、どうも納得できなかったため、イナビル(吸入した薬)のことを調べてみた。
なんと、そこには副作用について、ちゃんと出ているではないか!
『副作用はほとんどありません。喘息のある人は、発作の誘発に念のため注意してください。
【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
・ショック、アナフィラキシー様症状..気持ちが悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、ゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
【その他】 ・下痢、吐き気
・発疹、じん麻疹
上記の様な症状が現れた場合には、速やかに医師か薬剤師と相談してください。 』
これは、いったいどういうことなのだろうか?
母親の症状そのものではないか…。
病院・医師がこんなことを知らないことは、まずあるまい。
病院は、いったい何のため存在しているのだろうか?
やはり、自分の身は自分で守るしかないのであろうか?
お電話ありがとうございます、
堺肩こり・腰痛センターでございます。