腰痛を専門に治療院を営む者として、腰痛を実感できるのか?
ということをふと疑問に感じることがある。
痛みで苦しんでいる患者サイドからすれば、そう言うお前に何が分かる?というのが本音だろう。
癌患者や難病患者の治療に当たっている医師にすれば、身もふたもない話だろうが。
シェフだって、まず自分で味見して、美味しいと判断できるものをメニューに挙げる。まさか不味いと思うものを売りには出さないだろう(笑)
当然、そこには確認作業がなされている。つまり、お客さんと同じ体験を経ている。
こういう観点からすると、我々治療家はつらいところがある。
そこで、自分の腰痛体験は?と思い返してみる。
私は、この職業についている割には腰痛体験がない。
唯一あるとすれば、高校時代に遡る。
受験勉強で忙しかった時に、何かの拍子で(今となっては定かではないが)腰を捻った瞬間、腰の力が抜けてしまい、微動だに動けなくなってしまった。
全く寝返りすらできなかったため、親に担がれて近くの総合病院に到着。そこからストレッチャーに乗せられた記憶がある。
レントゲンを撮ったものの、全く異常なし。
そこで、困り果てた整形外科医が、今から腰椎穿刺をしましょうと言い出した。造影剤を入れましょうということなのだろうが、当時の私にとっては、腰骨に太い注射を打たれるということは、一大事である。
慌ててトイレに行こうとストレッチャーからスクッと立ち上がったのを覚えている。人間、緊急事態には火事場の糞力が出るものだ(笑)
それを見た医師が、大丈夫だなと笑ったのを刻銘に覚えている。
それをキッカケに、先ほどまであれほど痛かった腰痛が嘘のように消えてしまった。付き添いの親は唖然としている。あの大騒ぎは何だったのか?(笑)
今にして思えば、あれこそ正しく仙腸関節機能異常である。
まだ若くて柔軟であったため、腰に力を入れた瞬間、自己矯正してしまったのだろう。
これが、私のただ一度きりの腰痛体験である。
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堺肩こり・腰痛センターでございます。