膝関節痛と言っても、痛みの原因は千差万別です。その痛みの原因によってアプローチ法も変わってしまいます。
変形性膝関節症の場合
膝関節痛で最もメジャーなのは「変形性膝関節症」ですよね。男女比は1:4で女性に好発します。高齢者ほど罹患率が高いです。症状は一側から現れ、もう一側で庇っているうちにそちら側にも表れ、大概は両側性になります。
大概は膝内側に圧がかかり、膝内側の軟骨が摩耗され、膝裂隙(大腿骨と脛骨の隙間)が狭くなっていき、骨自身も摩耗し変形してしまいます。これによりO脚変形がさらに強調されていきます。さらに進行すると半月板や内側側副靭帯も変性していきます。
立ち上がりや歩行などの動作の開始時に痛みが生じ、動いているうちに痛みは緩和されていきます。正座や階段昇降が困難となります。変形が高度に進行してしまいますと、普通に歩くのすら困難になってしまいます。
ただ、痛みの原因としては、骨の変形=痛みではないと思われます。なぜなら骨自身には痛覚がないからです。骨膜には痛覚がありますので、骨の変形が進み、骨膜どうしが圧迫されるようになると痛みを感じるかもしれません。しかしそこまで変形が進行しているのは稀です。それ以前に痛みが生じているからです。
では、変形性膝関節症における痛みの原因は何なのでしょうか?諸説ありますが、ほとんどは膝関節周囲の軟部組織の痛みです。特に関節水腫が溜まり関節包内の内圧が上がると痛みが生じます。関節包内には滑膜があり、ここに痛みを感じるセンサーがあります。
また、軟骨が摩耗していく過程で、滑膜に炎症が起きるとも言われています。この炎症は軟骨を修復させようとして起きるのですが、この炎症により関節液が増えてしまい、関節水腫(膝に水が溜まる)ができてしまうとのことで、膝の痛みの原因はこの炎症だという意見もあります。
しかし、それほど軟骨の摩耗もなく、膝関節の変形がほとんどない場合でも、突然膝に水が溜まり膝痛が生じることがあります。私はやはり膝関節包の内圧の高まりが痛みの原因だとする方がしっくりきます。特に炎症がなくとも膝痛・関節水腫は生じるからです。
膝関節内の関節液は、潤滑液で、機械の油のようなものです。この関節液は滑膜で生産され、そして再吸収されるという循環を繰り返しています。何らかの原因で、このサイクルが壊れ、再吸収が阻害され溜まってしまうと私は考えます。つまり何らかの循環不全だと思われます。
変形性膝関節症の原因は、加齢による関節軟骨の老化、肥満、半月板損傷などによる外傷、化膿性関節炎の後遺症などがあります。変形が軽度の場合は、痛み止めの服用、ヒアルロン酸注射、大腿四頭筋の筋力強化や関節可動域訓練などのリハビリ、電気療法やホットパックなどの物理療法、足底版や膝装具を使用する場合もあります。これらは病院(整形外科)で行われる治療です。
これらでは痛みの変化がない場合は、手術になります。手術には、関節鏡手術、高位脛骨骨切り術(脛骨を楔形に切り取り、脛骨の角度を変え、O脚を是正)、人工膝関節全置換術(TKR)があります。高齢者の場合は、ほとんどTKRです。
ただ、疑問なのは、膝関節に変形があっても痛みの出ない方も数多くおられます。逆に変形がなくとも痛みがあったり、関節水腫(膝に関節液が溜まる)場合があるのです。つまり、変形=痛みではないのです。
骨盤由来の膝関節痛
私の経験上、膝関節痛のある方で明らかに膝関節に外傷並びに炎症所見がない場合、骨盤に何らかの歪みなり機能不全があります。この辺はお医者さんは(特に整形外科医)はエビデンスを楯に否定します。これを認めるお医者さんは、AKA-博田法を勉強されている方のみでしょうね。
AKA-博田法は整形外科医である博田節夫先生が開発された手技で、会員には医師か理学療法士か作業療法士しかなれません。この手技の肝は仙腸関節(骨盤)の調整です。なぜ仙腸関節を調整すれば、腰痛や膝関節痛がたちどころに改善するのかは、現代医学では証明の仕様がありません。
つまりエビデンスが乏しいため、整形外科学会ではまだまだマイナーな存在です。しかし、実際にAKAにより、腰痛や膝関節痛が劇的に改善するのも事実です。実際にこの手技を習得され、使われている先生はその効果の高さを実感されていると思います。西洋医学的見地で全てを語るのは無理があるのです。どんなに理論が立派でも、実際に目の前の患者さんが改善しなければ、何の価値もありませんので。
上記のように変形性膝関節症であっても、骨盤(仙腸関節)の調整により膝関節痛は改善します。
脊柱由来の膝関節痛
これは、主にカイロプラクティック的な考え方です。全ての不調の原因は背骨のズレや歪み(サブラクセーション)にあるので、背骨さえ調整できれば、人間が本来持っている自然治癒力が高まり、自ら不調(痛み)を改善させてしまうのです。
特に当院では、DRTという手技を使用(以前のブログ参照)していますので、上部頸椎(特に2番目)の調整に主眼を置いています。AKAでも脊柱を調整する手技があります。膝痛であれば腰椎4番目5番目(L4/L5、L5/S1)の調整すれば改善することもあります。
筋・筋膜由来の膝関節痛
膝周囲筋や股関節周囲筋の過緊張や硬結で膝関節痛が生じることがあります。特に股関節と膝関節の両方にまたがる二関節筋が特に影響しやすいです。硬結そのものが痛み、それが膝関節痛と感じる場合や、膝蓋骨の動きが妨げられ、正常な関節運動ができないことにより生じる場合があります。
また、筋膜の癒着により膝関節痛が生じることがあります。筋膜が原因の場合は、その性質上、膝周囲の筋膜だけの影響ではありません。筋膜は全身覆われているため、どこに癒着があっても膝に痛みを感じる可能性があるのです。それは、膝だけでなくどこに痛みが出ても不思議ではありません。
筋にしろ筋膜にしろ、その問題部位を特定する必要があります。そこが解放されない限り痛みがいつまでも残ることになってしまいます。
まとめ
膝関節痛と言っても、その原因は千差万別です。変形性膝関節症が最もメジャーですが、例え変形があっても、変形=痛みではないですので、幅広くその原因を考える必要があります。膝関節内に問題ない場合は、ヒアルロン酸などの関節注射は全く無意味だということになります。骨盤や脊柱由来の膝関節痛なら、痛み止めは全く効きません。筋膜性の痛みも同様です。痛み止めが効くのは、あくまで膝関節自体に炎症がある場合のみです。炎症もなく、特に外傷もない場合は、是非とも整体を受けてください。西洋医学的発想では限界がありますので。
堺肩こり・腰痛センターでは、基本手技であるDRTにより自然治癒力を向上させますので、『つらい腰痛』や『股関節の痛み』に対して、より精度の高い施術が可能です。
このような痛みで長い間お悩みの方は、メール・お電話でお気軽にお問い合わせください。
堺肩こり・腰痛センタートップページ http://hiro-rigaku.com
お電話ありがとうございます、
堺肩こり・腰痛センターでございます。